不動産を相続した方へ

不動産を相続した方へ

相続が発生し、相続財産の中に不動産が含まれている場合、相続登記の手続きが必要です。

亡くなった方の名義となっている不動産を相続人の名義に変更する登記申請をすることで、不動産の所有者が誰なのか、権利を確立するために重要です。

しかし、相続登記は複雑な部分も多いため、初めての方はどこから手をつければよいか迷われることも少なくありません。

ここでは、相続登記の基本的な流れと注意点について解説します。

相続登記が必要な理由

相続登記は今までは法的に義務付けられていませんでしたが、令和6年4月から相続登記が義務化されました。3年以上相続登記の申請をしなければ過料の対象になる可能性がある他に、登記を放置すると以下のようなリスクが生じます。

1. 不動産の管理が難しくなる 

名義が故人のままでは、売却や活用ができません。

また、相続人が複数いる場合、相続登記を放置し、時間が経過すると、遺産分割に関する合意が取れないことでトラブルになる可能性もあります。

2. 相続人が増えて登記が複雑になる

時間が経つと相続人が増える場合があります。

例えば、相続人が亡くなりその子どもや孫が新たな相続人になるケースです。

相続人と連絡が取れないようなケースもあります。

このような場合、手続きが煩雑化し、費用や時間がかさむ原因となります。

3. 固定資産税の請求が届かなくなるリスク

登記が行われていないと、適切に固定資産税が請求されず、後から未納分の請求が発生することも考えられます。

このようなリスクを避けるためにも、できるだけ早めに相続登記を行うことが重要です。

相続登記の流れ

相続登記の手続きは主に以下の流れで進められます。

 1. 相続人の特定

相続登記を始めるには、まず相続人が誰であるかを確定する必要があります。

これは亡くなった方の戸籍謄本等などの公的書類を収集し、亡くなった方の配偶者や子どもといった法定相続人を特定することから始まります。

2. 遺産分割協議の実施

相続人が複数いる場合には、遺産分割協議を行い、どの相続人がどの財産を相続するかを決定します。この協議で合意が得られたら、協議の内容を「遺産分割協議書」に記載し、相続人全員が署名押印を行います。この書類は登記申請時に必要です。

3. 相続登記に必要な書類の準備

相続登記の申請には、以下のような書類が必要です。

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 遺産分割協議書(相続人が複数いる場合)
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 不動産の固定資産評価証明書

登記に必要な書類は複数にわたりますので、不備がないように確認することが大切です。

4. 登記申請の実施

書類が揃ったら、法務局に登記申請を行います。

申請が受理され、手続きが完了すると不動産の名義が相続人のものとなります。

相続登記にかかる費用

費用について

相続登記には、以下の費用がかかります。

  • 登録免許税   相続する不動産の評価額の0.4%
  • 書類取得費用  戸籍謄本や固定資産評価証明書の発行手数料
            司法書士に戸籍の収集を任せる場合は請求手数料
  • 書類作成費用
  • 司法書士報酬  一般的に数万円から十数万円程度

費用は不動産の評価額や相続登記の難易度によって異なるため、詳細な見積もりは専門家に確認するのがよいでしょう。

手続きにかかる時間

相続人の確定までの時間

早いもので一週間程度、本籍地が数回変わっている場合や、相続人開始から時間がたっていて、相続人が多数いる場合等、複雑なものだと一か月程度かかることもあります。

相続人の確定から登記申請完了まで

相続人が確定すれば、登記申請に必要な書類を作成し、御署名押印頂きます。

書類をご返送頂きましたら早急に登記申請をし、登記の完了までは通常1か月程度とされています。

専門家に依頼するメリット

相続登記はご自身で手続きすることも可能ですが、必要な書類が多く、手続きが複雑な場合もあります。専門家である司法書士に依頼することで、以下のようなメリットがあります。

1.手続きの効率化 

 必要な書類の収集から登記申請までをスムーズに行えます。特に書類の不備がなく、申請後に修正が不要になるため、スピーディーな手続きを実現できます。

2. 法的リスクの回避 

相続登記には細かな法律知識が必要な場面も多いため、ミスや見落としを防ぐことができます。また、司法書士が関与することで、相続人同士の協議がスムーズに進む場合もあります。

3. 将来のトラブル予防

遺産分割協議書の作成や登記手続きにおいて、今後のトラブルを回避するためのアドバイスを受けることができます。

まとめ

相続登記でスムーズな名義変更を

相続登記は、相続した不動産の権利を確定する重要な手続きです。名義変更を怠ると、不動産の管理や売却が難しくなるだけでなく、相続人が増えることで手続きがさらに煩雑になるリスクもあります。そのため、相続が発生したら早めに対応することが推奨されます。

初めて相続登記を行う方や手続きに不安がある方は、ぜひ当事務所にご相談ください。丁寧にサポートさせていただき、スムーズに相続登記を進めるお手伝いをいたします。

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